不二周助 vs 越前リョーマ セリフ起こしてみた&感想(まあまあ長文)

 

"ジャンプSQ 2022年12月号"にて不二周助 vs 越前リョーマの戦いが終わりました。

 

読後感とそれによる脱力感があったのだけれど、この素晴らしい試合に関しては何かしらアウトプットしておきたいと思って、本記事を書いてみました。

 

当方、不二推しのため不二に関することが多いですがご容赦を。

まずは"雨の日"のおさらいから。

 

レギュラーの練習試合(都大会準決勝 山吹中戦 前日)

テニスの王子様 10巻

Genius84 真剣勝負
不二「お手やわらかに」
 
越前『今度は兄貴の方ね…』
 
- 乾、菊丸、河村、桃城が勝敗予想 -
 乾「どうみる?」
 菊丸「不二」
 乾「不二」
 河村「不二」
 桃城「越前!」「本当は俺がやりたい相手っスよ」
 
- 越前がスプリットステップを開始 -
 
越前「不二先輩…倒しちゃってもいーんすよね?」
 
- 審判は手塚 -
- 不二のサービスから -
 
不二『リターンで攻め込む気か!?』
不二『左右に振って足留めさせる!』
 
越前『さすがやるじゃん……!!でも攻めあるのみ!!』
 
不二『たしかにデタラメな速さだね…』
不二「それを可能にしているのはあの……一本足でのスプリットステップ」
不二「あれだ!」
 
- これも拾う越前。ゾクっとする不二 -
 
越前「ちぇっ今の決め球だったのにサラッと拾うんだもんなぁ」
 
不二/越前「おもしろい」
 
不二「『三種の返し玉(トリプルカウンター』受けてみるかい!?」
 
越前「『ドライブB』で崩してやる!!」
 
 
Genius85 その瞬間を見逃すな!!
 
- 手塚「どちらが先にしかけるか…」 -
 
不二『そろそろスピードが上がってきたね』
不二『球速が変わった!?』
 
越前『よしここだーーーっ!!』
 
不二『なら足元を狙うまで…』
不二『しまった』
 
越前『狙うは左コーナー』
越前「ドライブB!!」
 
不二『本来ならあの角度で強打すれば完全にアウトだ…でも』
不二『なんて急激な落ち方だ…!!」
不二『届け』
 
越前『決める!!』(スマッシュ)
 
- 不二 羆落とし -
Genius86 挑戦状
 
- 乾による羆落とし解説 -
 
不二『しかしあの『ドライブB』予想以上に凄い。これといった攻略法が見つからない』
不二『キミの体力が持久走の後で消耗していたから返せたけれど…』
 
越前「…何見てんっスか」
 
不二「別に」
 
- 越前、再度スマッシュ -
 
越前「ふーん スマッシュを完全無効化できるんだ」
 
不二『いいよ……じゃあ破ってみる?』
不二『そろそろいくよ……!
 
- 不二 ロブでスマッシュを誘う -
 
越前「にゃろう」
 
- ツイスト回転のスマッシュを放つが羆落としに返される -
 
越前「絶対に破ってやる」
 
Genius87 こだわり
ここまでで 不二2-1越前
 
越前『この人…強い!というよりうまい!!」
 
不二「ふーーーやっぱり君は油断出来ないや」
不二「裕太や海堂…乾までやられる訳だね。一瞬の気の抜きさえ君の前では見せられない。あっという間に命取りになりそうだよ」
不二『でも 僕に勝つのはまだ早いよ』
 
- ひたすらスマッシュを打ち続ける越前 -
 
不二『今のは偶然か それとも…』
 
- 羆落としがアウトになる -
 
越前「もうロブ挙げてくれなくていいっスよ」
 
- またアウトになる -
 
不二「とんでもない事するなぁ凄いね越前君」
 
越前「どーも」
 
不二「タイミングをはかってたのか」
 
Genius88 青学一の曲者
 
不二「手塚と桃…ちょっと見てみたい対戦だね」
 
越前「なら早く終わらせましょうか?」
 
不二「負けてくれるのかい」
 
越前「まさか!!」
 
Genius89 3人のバケモノ
- 雨が降り始めるが勝負を止めない2人 -
 
越前「まさか逃げないよね?」
 
不二「この程度の雨ならまだ出来るよ」
不二『右手に持ち替えた---ツイストサーブだね』
 
- ここで竜崎先生に止められる -
 
不二「残念だけど…この勝負おあずけだね」
 
越前「ズルいっすよ自分が4-3で勝ってるからってこれからなのに…」
 
- 竜崎先生に怒られる越前。笑う不二 -
 
不二『どんなに突き放してもあっという間に追いついてくる」
不二『こんなスリル感滅多に味わえないよ』
不二「ねぇ手塚…越前と試合した時キミもこうだった?」
 
手塚「知ってたのか?」
 
不二「うん!なんとなく」
 

状況整理

雨の日の試合のときの状況は聖ルドルフ戦が終わったタイミング。
不二は観月を、リョーマは不二の弟・不二裕太を倒した直後ですね。

 

<不二目線>
何らかの手段でスーパールーキー・越前リョーマと手塚が戦ったことを知っている不二。
まだ関東大会が終わっていないのでこのときの不二は手塚のことを自分と同じ人種=勝敗に執着出来ない=本気になれない=自身と同じくスリルを楽しむタイプだと思っている状況。
不二からすると青学で唯一手塚だけが"スリルを味わわせてくれる相手”だったことになります。その手塚がわざわざ越前を呼び出したということ自体に多いに興味を惹かれていた状況なんですよね。
そしていざ試合をするとおそらく不二は期待以上のスリルを味わえた。
不二にとっては越前は手塚に続いて、自身のテニスをやる動機になったかもしれない存在かなとは思います。

なので決着をつけられなかったのは残念だっただろうなと思います。


<越前視点>
まあこちらは非常にわかりやすいですね。
越前はそもそも"父親・越前南次郎を倒したい"が頭にあったからこそ、手塚に高架下のコートに呼ばれているので、この頃の越前は闘志を燃やしはじめている段階ですね。
雨の日の試合前に弟である裕太と対戦していて、その裕太は兄を特別視していたので、越前からすると興味が湧いていたんじゃないかと思います。

この頃はまだつばめ返しと羆落としだけで戦っているときだけど、越前はひたすら羆落とし攻略に躍起になっているあたり、越前らしさが伺えます。

こちらも不二を倒したかったであろうので、雨での中断は残念だっただろうと思います。

 
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"雨の日の試合"以後…

不二の歩み

<都大会>
決勝:D2(河村) ● 3-6 新渡米・喜多(山吹)
 
<関東大会>
1回戦:S2 ○ 6-1 芥川(氷帝学園
準決勝:D1(菊丸) ○ 6-3 佐伯・樹(六角)
決勝:S2 ○ 7-5 切原赤也立海大附属)
 
<全国大会>
2回戦:D2(河村) ○ 7-5 平古場・知念(比嘉)
準決勝:S3 ● 6-7 白石蔵ノ介(四天宝寺
決勝:S2 ○ 7-5 仁王雅治立海
 
<U-17合宿>
同士討ち ○ 7-0 不二裕太聖ルドルフ
空きコートにて ?-? 手塚国光(5番コート)
 
<U-17W杯>
プレW杯1回戦(デューク) ○ 7-5 ビスマルク&ジークフリート(ドイツ)
Bブロック2回戦:D1(跡部景吾) ○ 7-6 マック・マグレガー&ミルキー・ミルマン(オーストラリア)

越前の歩み

<都大会>
決勝 S2 ○ 6-4 亜久津仁(山吹)
 
<関東大会>
1回戦 控え対決 ○ 6-4 日吉若(氷帝学園
準々決勝 S3 ○ 6-1 季楽靖幸(緑山)
野試合 ○ 6-4 切原赤也立海大附属)
決勝 S1 ○ 7-5 真田弦一郎(立海大附属)
 
<全国大会>
2回戦 S3 ○ 7-6 田仁志慧(比嘉)
準々決勝 S1 ○ 7-6 跡部景吾氷帝学園
準決勝 S1 1球勝負 遠山金太郎四天宝寺
決勝 S1 ○ 6-4 幸村精市立海大附属)
 
<U-17合宿>
同士討ち 不戦敗 南健太郎(山吹)
同士討ち開催中の非公式戦 ● ?-? 徳川カズヤ(1番コート)
 
<U-17W杯>
準々決勝 S3 ○ 0-6,6-0,7-6 プランス・ルドヴィック・シャルダール(フランス)
 
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スペイン戦メンバー選考決勝(U-17W杯決勝 スペイン戦前)

テニスの王子様 37巻

Golden age367 願望
 
不二「…まさかキミと再び戦えるなんて夢にも思ってなかったよ」
 
越前「…そーっスね」
 
不二「さぁ時を進めようか越前…」
 
越前「今回はきっちりつけますよ不二先輩…あの雨の日の決着を」
 
Golden age371 勝利だけを目指して
 
越前「不二先輩…今度こそアンタに勝つっス」
 
不二「おいで越前…ボクに勝つのはまだ早いよ」
 
Golden age372 ボクは同じ相手に二度負けない
 
- 乾、千石、木手、切原が勝敗予想 -
 乾「どうみる?」
 千石「越前」
 乾「越前」
 木手「越前」
 切原「不二!」
 切原「あの人はマジ不気味っすよ。相手が強ければ…その強さにまで上がって来る」
 
- 越前、不二にロブを打たせてスマッシュを打つ -
 
不二「風の攻撃技(クリティカルウインド)『葵吹雪』」
 
越前「な~んだ残念…もう『三種の返し球(トリプルカウンター)』やってくんないんだ?スマッシュをスマッシュで返すなんて神業流石っスね不二先輩」
越前「お互い…あん時のままじゃ無いって事すね」
越前「行きますよ!」
 
- 不二が前に出る -
 
越前『序盤から攻めて一気にペースを掴むつもりっスね』
越前『そうはさせないっスよ』
越前「『光る打球(ホープ)』!!」
越前『ネ ネットを越えない』
 
不二「第5の返し球(フィフスカウンター)『百腕巨人(ヘカトンケイル)の門番』」
 
越前『白石さんのように不二先輩の回転を超える回転を掛けなければ何度やっても『百腕巨人の門番』の餌食だ!」
越前『ならばこっちも2乗の超回転 超ドライブB!!」
 
不二『さすが越前…キミのテニスセンスには脱帽するよ』
不二『でも残念 回転を掛けながらスーパースイートスポットで打つ事は出来ないよ』
不二「三種の返し玉(トリプルカウンター)『つばめ返し』」
 
越前『やっぱこの人…テニスが巧い』
 
- 越前、天衣無縫へ -
 
不二『自分の持てる技全てを駆使しての駆け引き』
不二『やはりキミとの試合は面白いや』
不二「待っていたよ…『天衣無縫の極み』」
不二『そして--ボクは同じ相手(天衣無縫の極み)に二度負けない』
 

テニスの王子様 38巻(予定)

Golden age 374 神様からの贈り物
 
不二「ボクは同じ相手(天衣無縫の極み)に二度負けない」
越前「まだ俺…不二先輩に勝った事ないっスけど?」
不二「そしてボクの時間は動き始める」
 
- "光風"で天衣無縫を攻略しはじめる不二。周囲はセンスというが… -
 
不二『……センスか』
不二『そう皆が努力し道を切り開く中ボクはーー」
不二『勝負のスリルを楽しむため…自分の技術を磨いて来た』
不二『でも勝ちたい気持ちが芽生えてから今までボクはそれに見合うだけの努力をして来たのかわからなかたんだ』
不二『いつもテニスに対し誠実だった彼と比べたらボクのテニスが何だかちっぽけなモノに感じたから』
不二『でもそれは違ったーー」
不二『誰かと比べる必要なんてないんだ』
不二『ボクの3つ目の誓い--これが神様からの贈り物なら…』
不二『テニスという贈り物(ギフト)をボクはもう手放さない!!』
 
Golden age377 焦り
 
- 越前の全ての技が返されていることに気付くギャラリー -
 
越前『にゃろう…流れを変えてやる!!』
不二『流れは変えさせないよ!!』
 
- COOLドライブを打とうとするが、つばめ返しを警戒し通常のスマッシュに切り替える越前 -
 
越前『だったら『葵吹雪』でスマッシュにスマッシュで来るなら…』
 
- 羆落としで応戦する不二 -
 
越前「くそう そっちかよ!!」
 
越前『常に俺の一手先を…さすがっスよーー不二先輩!!』
 
越前『3種の返し球(トリプルカウンター)『白鯨』…!?いや『白龍』だ!!』
越前「うおおおおおおーっ!!」
 
- 『心の瞳(クローズドアイ)』を発動する不二 -
 
越前『…にゃろう そっちがその気ならーー俺だって!!』
 
- しかし...第6の返し球『星花火』 -
 
 
Golden age378 絶対絶命
 
- コートが擂鉢状ではないので、ボールの落下が規則的 -
 
越前『打てる!!』
 
- アウトで不二マッチポイント -
 
- 雨が降る -
 
越前「まさか…逃げないよね?」
不二「フフ…この程度の雨ならまだ出来るよ」
 
- ラケットを右手も持ち替え、雨の日の練習試合の続きをはじめる越前 -
 
不二『懐かしいね 最後はツイストサーブかい…キミが入部して来た時から本当に驚かされっぱなしだったよ』
 
不二『彗星の様に現れた新入生(ルーキー)』
不二『時には先輩のお株を奪い』
不二『そして誰より負けず嫌いNo1』
不二『いつも無茶ばかりするけど』
不二『それは大好きな仲間を支える為』
不二『そしてキミはーー絶体絶命になる程強くなれる!!』
 
不二「第4の返し球(フォースカウンター)『蜉蝣包み』」
不二『水溜りを滑って…打球に追いついた!?』
 
越前「おおおおお!!」
越前「カモォォン!!」
 
不二「これでボクのカウンター全て返したね越前」
 
越前「な~~んだバレてたんスね♪」
 
- タイブレーク 死闘の中、不二が動く-
 
不二「風の攻撃技(クリティカルウィンド)『狐火球』」
 
越前『最後に初見の切り札をさすが不二先輩ーーでも流れは断ち切らせ…』
越前『あ…当たらない!?この打球少しの風圧にも舞ってしまう…』
 
不二「その打球は打てないよ」
不二「勝つのはボクだ!!」
 
- 一陣の風が吹き、狐火球をユラっと揺らし打球はアウトに -
 
越前「ねぇ…テニス辞めないよね?」
不二「……どうして?やっと面白くなってきた所なのに」
 

感想

まずひとこと...。素晴らしい試合でした。

 

不二も越前も最高でした...最高の試合でした。

不二が負けたのは残念だけれど、それは本当に残念だけど。

 

同じく不二推しである友人とも意見が一致したこと。

それはこの試合の不二はやはり"スリルを楽しんでいた"ということ。

 

でなければわざわざ越前の技すべてを返すということにこだわらないだろうし、初披露である風の攻撃技"狐火球"を最後の最後までとっておかないんじゃないかと思った。

そしてこれまでのカウンター技を越前に全部返されるのもあえて待っていたんじゃないかと思う。

 

これは越前を舐めているのではなくて、不二から越前への最大級の賛辞なのではないかとも思う。

"越前ならここまで観た自分の技を返してくるであろう"と。
でも、自分も越前の全ての技を自分のすべてを出して返している。

 

この時点で不二も越前も互いに過去の自分を超えていると解釈できるし、不二はそれをさらに超えることによって"真の意味で過去の自分を超えられる"と解釈したんじゃないかなと僕は思う。

 

不二が到達できた境地として"勝敗に執着はするけれどスリルも楽しむ"という過去の自分を受け入れた上で、それを"面白い"と思えている状態ではないだろうかと思う。

 

この勝負、最後は狐火球を越前が攻略したのではなくて一陣の風が勝敗を左右した。

不二が力負けした...というわけではなく、いろんな思惑や運が交錯した結果としての勝敗なんだと思った。
あえていうなら越前はリョーガとの決着を強く願っていた。その想いが一陣の風を味方につけたのかもしれない。そんな風に思える風だった。

 

 

試合の展開は本当にめちゃくちゃ面白かった。
あらゆる技を駆使して、越前の技や天衣無縫を攻略していく様はめっちゃカッコ良かったし、越前がいかに現状で強いのかもよくわかった。

 

 

幸村は天衣無縫の手塚に、全国決勝の越前を重ねたように...不二は天衣無縫の越前に合宿での手塚を重ねた。

 

その結果、不二自身がテニスを楽しめているようになっていることが不二推しとしては本当に何よりも嬉しい。

不二『ボクの3つ目の誓い--これが神様からの贈り物なら…』
不二『テニスという贈り物(ギフト)をボクはもう手放さない!!』
 

ここのコマのとき、読んでてプルプルって震えたもんね。
不二推しならみんなすごい想いで読むコマだと思うんだよ。
 
なんかここのくだりを観ただけで…不二は敗けたけれど、この試合を受け入れられている自分がいます。
 
ファンとしては…越前兄弟の対決をしっかり観たいし、できるならばW杯後の不二vs手塚も観たいなぁと思う。
 
引き続き、楽しみだ!
 
最後にひとこと。「越前おめでとう!、そして…不二もおめでとう!」